前回↓
日本円→香港ドル両替
マカオ(漢字では澳門)の空港では、一旦日本円を香港ドルへ両替。
1人5,000円ずつだったかと思う。
マカオでは、マカオパタカの他に香港ドルも等価で使えると聞いた。
1香港ドル≒17円のレートだった。
今回の旅行ではできれば現地通貨は最低限、可能な限りクレジットカードで支払いをするつもりだった。とはいえ1泊あたりどれだけ現地通貨が必要なのかは今一つ未知数だったが・・。
いよいよ安息のホテルへ。タクシー乗車
幸い空港からそう離れない所に今夜の宿を見つけて予約。
ネット予約ってすばらしい。
マカオ国際空港の地図↓
ホテルへはタクシーで移動する事にした。
早速乗り込んだところドライバーは現地人のおじさん。
クレジットカードを使えるか聞いたところ現金のみとの事。
ちょっとがっかりしたが仕方がない。
片言の英語で話しかけたが、一切英語が通じない・・。
おじさんは運転しながら延々とやたら大きい声の広東語でひっきりなしに話しかけてくる。
反応しようにも広東語が一切わからないので、なにも返答しようがなくぽかんとする私たち。
アヤシくなる雲行き タクシーは何故か遠回りを
おじさんは大声で話している訳が分かった。
運転しながらひっきりなしにスマホに話しかけている。
画面はチャット。
誰かとボイスチャット会話をしているのだ。
そういえば以前同僚から、中国語のタイピングは操作が複雑なので中国語圏の人はよく電話やボイスチャットでの会話を好むと聞いた。
そんなことをぼんやり思い出しながらぼんやりしていると、ふいにKちゃん。
「あれ道違うよね?橋渡らないし」
マカオの地理を大雑把に説明すると、中国と接する大陸側と
空港のある島にわかれていて、両者は2つの橋でつながっている。
澳門友誼大橋(フレンドシップばし)
目指すホテルは島がわで空港から近いのに、車は橋を渡っているではないか。
このドライバーは道を間違えている!
英語で指摘するがもちろん通じない。
私は「道を間違えています」をスマホのGoogle翻訳で広東語に訳し音声でドライバーに示した。
が・・通じているのか通いていないのかいまいちハッキリしない。
そうしている間に、車は橋を渡り切ってしまった。
その時に撮ったのがこの写真。
余分に走った料金を請求されたらとんでもないので、一旦証拠がてら撮ってみた。
この時点でメーターは73ドル(パタカ)。
勘で見積もって、実際の空港からホテルへの距離なら30ドルで十分そうだと思った。
私は、車がホテルに着いたら30香港ドルだけ払ってとっとと逃げようとKちゃんに伝えた。
ちなみに車のトランクには私とKちゃんの荷物が入っているのを忘れてはいけない。
お金を先に払わないと車のトランクは開けてもらえないだろうか?
私は冷や汗が出た。
タクシーは橋を折り返し、ホテルの付近に着いた。
メーターは150 ドル(パタカ)を超えているではないか!
ドライバーは120でいいみたいな事をぬけぬけと言ってきた。
私、ふざけんな~~!と思う。
ただでさえ旅程変更で費用が2倍かかっているのに、これ以上無駄金を払うなんて冗談じゃない。
(後でKちゃんが教えてくれたのだが、このドライバーは到着直前でメーターを操作し120から150までつり上げていたという。
あの●ジイ、くだらない小細工しやがって!!
と、頭にきていた私はますます怒り心頭に来た。)
私はおもむろに車を先に降りて後ろのトランクに手をかけた。
無事にトランクは空いたので素早く2人分のスーツケースを取り出す。
ドライバーにはあらかじめ用意しておいた30香港ドルを握らせる。
ドライバー、明らかな不満顔で大音量の広東語でまくしたてる。
私は私でとにかく音量で負けないようにしなきゃと思いながら
「No!You had wrong!」
「あんたが勝手に間違えたんじゃない!これで十分払った。(※日本語)」
「これ以上払わない!!(※日本語)」
と絶叫した。
日本ではめったに機会のない絶叫。
Kちゃんはこの修羅場に慣れず(私だって慣れないが)、時間稼ぎを兼ねておろおろドライバーとやり取りしながら財布のお札を探っている。
この時20ドル程ドライバーに渡していたので私たちは合計50香港ドルを払った事になる。
ひるまずに騒いでいればあきらめるかと思いきや、ドライバーは相変わらず大音量の広東語で絶叫してくる。
おもむろに目で距離を測ると、ここから近くのホテルのエントランスまで徒歩1分くらい。
スーツケース持って、全速力で走れば何とか逃げ切れるか。
歩道の信号が青に変わったのを合図に、私はKちゃんとタクシーから離れてホテルまで走った。
走り出したらいちかばち。後戻りはできない!
ドライバーが追いかけて来たような気がして生きた心地がしない。
息をする間もなく、ホテルのエントランスへ滑り込んだ2人。
命拾い(?)したのは良かったが後から急に怖くなった。
あんなに騒いだのはよろしくなかったのでは??
おとなしく料金を払っていた方が安全だったのでは?
今ここのホテルを出て、あのドライバーがもし待ち伏せして襲ってきたら・・どうしよう!
こんな夜の初めての国で、誰も助けてくれない。
しかもGoogleマップで現在地を見てみたらここは私たちが泊まるホテルじゃない!!(徒歩2,3分先)。
あの●ジイ、ふざけた場所で降ろしやがって!
私は余分に怒り(の残り?)が沸いた。
少し息を整えた後、私たちは今までと多少ぱっと見の見た目を変えて(変装)
目的のホテルまでまた走る事にした。
私は下ろしていた髪を結んで眼鏡をかけ、Kちゃんから借りたシャツに着替えてみた。
Kちゃんは私のストールをバンダナ代わりに髪に巻いた。
これでもし襲われたらスーツケースを捨ててでも逃げ切ろう。
結果的に私たちは、待ち伏せされるような事はなく無事に目的のホテルでチェックインを済ませる事ができた。
旅行初日にしてこんなに災難続きの長い日になろうとは・・。
ちなみにガイドブックを読んでみると、香港やマカオではこういうぼったくりタクシーの手口は常套手段なんだとか。
ぼったくられても毅然と対応するのが正解らしいので、今回の対応はまあ一応間違っていなかったという事で。
これからはウーバー等のタクシーアプリを使おう。
タクシーアプリはオーダーした時点で決済が完了するのでドライバーとの金銭トラブルを回避する事ができる。
つくづく、素晴らしいアプリだ。(実はまだ使っていません)
つづく。